2012年 12月 10日
野田村のソウルフード、しだみだんご
クリ、クルミ、松の実、ピスタチオ、アーモンド・・・などなど、いろいろありますよね。
でも、私は野田村にくるまで知らなかったのです。
えっ、「ドングリ」も、食べられるの!?
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野田村には、「しだみだんご」と呼ばれる
ドングリで作った餡子が包まれたおだんごがあるのです。
「しだみ」とは「ドングリ」のこと。
産直で初めて見たとき、これは何ぞや?と思ってしまいました。
私が生まれ育った田舎では、小豆から作るごく普通の餡子しか見たことがなく。。。
そこで今回、しだみだんごを作って産直ぱあぷるに出荷している
小谷地(こやち)さんを訪ねてお話を伺い、一緒に作らせていただいちゃいました!
小谷地さん、あったか~い甘酒で迎えてくださいました^^
いただきながら、ストーブを囲んでお話。
やま・しも「わ~立派なドングリ!」
早速見せてもらった乾燥済みのドングリは、ぴかぴかで立派な大きさ!こちらは「ミズナラ」だそうです。
他に「コナラ」なども用いるそう。
このドングリ、どこかから配達で仕入れるのかと思いきや・・・
毎年秋に1年分、県内の産地に採りにいくとのことで!
拾うところからご自身で始めるんですね!
これを乾かして、ひとつひとつ皮を剥いて。
すべて、手作業です。
やま『ところで、何故ドングリを食べるんですか?』
「このあたりはね、やませが強くて寒くて、食べ物がなかったの。魚はとれたんだけどねぇ。」
内陸と違って冷涼な気候のこの地では、どんぐりや雑穀を多く食したとのこと。
時代が変わり、コメをはじめ食物が容易に手に入るようになった今も、
小谷地さんは昔ながらのしだみだんごを作り続けているそうです。
やま『どうやって、ドングリを食べるんですか?』
「2日がかりで、水を何度も変えて煮るの。時間かかるんだよ~」
ドングリは渋みが強く、渋抜きが必要とのことなのですが、それは時間のかかる作業。
水を何度も取り替えて、灰汁水も使って煮沸すること、なんと丸二日。
大きな釜で、一度に半月分ほど作るとのことですが…根気の要る作業ですよね!
そうやってじっくり煮たドングリに、黒糖と白糖・塩を加えて、しだみ餡を作ります。
分量は、小谷地さんの長年の勘!
今回は完成したものをご用意いただきましたが・・この餡子が楽にできたものじゃないんだ、と思うと
なんだかじんわりくるものがあります。
ドングリを収穫するところからの工程を考えると、とても手がかかっています。
この餡子を無駄にしないように大事に作ろう、と思った瞬間でした。
では、いよいよおだんご作り!
まずは予めご用意いただいた餡子を、一つひとつ丸めます。
今回は、しだみ餡と、小豆の粒あんの二種類。
しだみ餡は、しっとりなめらかな手触りの良さ!
楽しみながら丸めました。
次に、生地づくり。
粉に熱湯を入れ、粉と馴染ませ、まとめたら・・・
こねます!
このようにまとまったら
生地をちぎって丸め、それを平たく窪ませたものに餡子をいれて
手の甲でギュッとおさえて
包みます。
最後に両手のひらでくるくる形を整えて、完成です♪
・・・と、まだ終わりじゃなかった!
これを、茹でます!
鍋底にくっつかないように混ぜながら、じっくり待つ。
浮き上がってきたら、出来上がりの合図です。
(しもむんの特別サイズは、重さのせいか、なかなか浮き上がってきませんでしたが。。笑)
これで、完成です!おいしそ~♪
ところで、おだんごと一緒に何か茹でられているな・・・
これは、いつの間にか作ってくれていた、もう1種類の生地でした。
私たちがおだんごの成型に夢中になっている間に
うるち粉ともち粉を配合して捏ねてくれていたんですね。
成型後に茹でて仕上げる小麦生地のおだんごと違って、
こちらは生地を先に茹でてから、成型して完成させます。
そうそう、ドングリの話でも触れましたが、
このあたりのおだんごは、小麦生地が主流のようです。
内陸生まれの私はお餅生地のほうが馴染みあるのですが、
気候の違いで、文化も違うんですね。
同じ県内なのに・・・岩手は広い。。
ということで、こちらも成型!
耳たぶのように柔らかかった小麦の生地よりも、
こちらはしっかりした弾力と手触りです。
やま・しも「こっちのほうが難しい~!底(とじ口)、見せられない…汗」
そんなこんなで、こちらも完成♪
「さ、あったかいとこ食べてみて~」
ありがたくお言葉に甘えて、出来立てを早速、ぱくり!
ほかほかで、生地がやわらかしっとり、美味しすぎる~~~
お餅生地のほうは弾力があってモチモチ~!!
ほっぺたが落ちそう!!
しもむんもやまみんも、どんどん手が伸びてしまいました。
ストーブのやかんから立ち込める蒸気と、おだんごからのぼる、湯気。
入れてもらった温かいお茶をすすりながら、ほっこりあたたかい、ひとときでした。
小谷地さんのおだんご作りは、何十年も前からだそうです。
もともとは村をきれいにする目的で作られた「港生活改善グループ」として、
花壇整備などの資金の一部に充てるため、おだんごなどを作って販売していたとのこと。
それが今につながっているそうです。
今は昔よりも人数は減ったそう。
浜仕事や家のことなど様々なことから全員が活動できるわけではなく
普段は小谷地さんが主に作っているそうです。
何かない限り毎朝欠かさず、産直ぱあぷるに出荷しています。
「丸一日やるわけでねぇし、午後には作業ないから~」といいますが
毎日きちんと続けること、きっと楽なものではないはず。
「しだみだんご、後の世代にも伝えていけたら」とおっしゃっていた小谷地さん。
昔からの食文化であり、何十年も寄り添ってきた、しだみだんご。
これからもぜひ作り続けて、いろんな世代の多くの人に届いてほしい、と思います。
しだみだんごのこと、教えてくれてありがとうございました
久しぶりのおだんご作り、楽しかったです♪
今後ぱあぷるで買ったときは、いつもよりたくさん感謝して、食べたいと思います。
(やまみん)
(おまけ。↓)
by nodakurashi11
| 2012-12-10 11:11
| 何でも体験取材